糖尿病と新型コロナウイルスについて
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新型コロナウイルス感染症が世界で猛威をふるい、日本でも強い感染力を有する変異ウイルスの蔓延で、感染拡大、医療体制の逼迫が都市部を中心に広がっており、予断を許さない状態となっています。
新型コロナウイルス感染症の重症化のリスクとなる疾患として糖尿病もあげられています。
1. 糖尿病で感染率が上がるのか?
これまで中国や米国のいくつかの報告では、COVID-19患者の糖尿病有病率とそれらの国の糖尿病有病率の
間に大きな差はなく、糖尿病を有することで感染しやすくなるわけではないことがわかっています。
2. 重症化のリスクは上がるのか?
高血糖が続くと、①白血球や免疫に関わる細胞の機能が低下すること ②炎症マーカーであるIL-6などのサイトカイン分泌の増加がサイトカインストームの誘因になりうること ③高血糖により血流障害や血栓形成促進状態を引き起こすことなどの理由により
重症化リスクは上がることがわかっています。
一方で、新型コロナウイルス感染症の糖尿病患者において、血糖コントロールが良好である群(平均HbA1c7.3%)の
生存率は健常者とほとんど変わらないという中国の報告があります。
良好な血糖コントロールを維持して、重症化リスクを上げないことが重要です。
3.日々の生活で心掛けることは?
大変な状況ではありますが、
手指衛生、目口鼻の防護、他人との距離を保つこと、密を避けるなどの予防策をしっかり行い、
食事療法、運動療法、処方された薬を継続し良好な血糖コントロールを維持して、、
バランスのとれた食事と十分な睡眠で免疫力を維持していくことが大切です。
出来る予防をして、リラックスする時間も作って、コロナ禍をのりきっていきましょう。